ハロウィンは、もともとはイギリス・ケルト地方で収穫の時期を終えた10月31日を1年の終わりとして、新年を迎える前の厄払いのような感じで続けられていたお祭りです。悪霊を寄せ付けないよう、怖い恰好をして町内を練り歩いていたんだそうです。スピルバーグの映画「E.T.」の大ヒットによって、日本でもハロウィンのお祭りが広く知られるようになり、いつしか日本の季節行事の一つにも成っているようですね。
4月7日(火)内閣総理大臣を通じ、日本政府から東京、千葉、埼玉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県に対して新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が発令されました。これに伴い、対象の自治体はそれぞれに対応策として「緊急事態措置」を発表。福岡県ならびに北九州市は、保育所、通所型児童福祉施設・事業所に向けた休業要請ではなく、「家庭での保育のお願い」という、利用者に向けた利用自粛の要請を行いました。
新年度が始まったばかりのタイミングでのこうした事態は、支援側としても利用側としても、いろいろにやりたかったことができなくなる残念な思いばかりが積もりますが、私はこの局面を決してネガティブに捉えないで欲しいと思っています。何故なら、いろいろ批判はあっても、他国に比べ我が国は一定程度感染爆発(オーバー・シュート)を抑え込んでいる状態にあるからです。
国民性の違いなのか、文化の違いなのか、社会システムの違いなのか、健康意識、危機意識の違いなのか、要因は明確ではないものの(恐らく、記した全てであろうと思われますが)、もしもアメリカの感染死者率を日本に当てはめると、本記事投稿時点で日本では既に7,500人以上が死亡している計算になります。しかし、実際の死者数は144人。感染率も当てはめれば180,000人を超える計算となりますが、実際には約8,000人です。
だからと安心して良いわけではなく、ひとたび感染爆発が起こると倍々ゲームのように、短期間で先述の数値に一気に近付いてしまうこととなります。その過程で医療崩壊が生じ、処理しきれない遺体が路上に放置されるようなことにでもなれば、ついばむ野鳥や野生動物によってウィルスが更に拡散される可能性を高めることにもなります。私たちが暮らす日本では考えにくい事態ですが、事実アフリカの一部地域ではそうした光景が現実になりつつあります。
先日、コンテイジョン(2011)というパンデミックを題材にした映画を観ました。まるで今回の事態を予測するかのようなシミュレーションが見事に描かれていました。映画ではワクチンの開発に成功し、ハッピーエンドを迎えますが、現実を生きる私たちがハッピーエンドを迎えられるかどうかは、私たち一人ひとりの行動に係っています。
私たちには、何としても地域の医療崩壊を未然に防ぐ必要があります。私たちの行動選択(感染予防)が、延(ひ)いては最前線でウィルスと闘ってくれている医療従事者を支えることにも繋がっています。そういう意味では、今回の「通園自粛」を『しかたなく…』ではなく、地域の医療従事者を支えるチームの一員に加わるイメージで捉えていただければと思います。そうすることが、結果的に私たち家族の命と地域の命を守ることにも繋がるからです。
一人ひとりの行いは小さな行いです。しかし、その小さな行いが大きなハッピーエンドを招来すると信じます。正に、このコラムのタイトル「積光成輝-小さな光も集まれば大きな輝きになる-」の行いなのです。