ハロウィンは、もともとはイギリス・ケルト地方で収穫の時期を終えた10月31日を1年の終わりとして、新年を迎える前の厄払いのような感じで続けられていたお祭りです。悪霊を寄せ付けないよう、怖い恰好をして町内を練り歩いていたんだそうです。スピルバーグの映画「E.T.」の大ヒットによって、日本でもハロウィンのお祭りが広く知られるようになり、いつしか日本の季節行事の一つにも成っているようですね。
今年の卒園児は特別です。
およそ100年振りのパンデミックを耐え抜いた卒園児だからです。2020年度はオリンピック・パラリンピックばかりでなく、園でもいろいろのことができなくて残念な思いを沢山しました。でも、子どもたちだけでなく、お母さんも、お父さんも、お姉ちゃんも、お兄ちゃんも、妹も、弟も、お祖母さんも、お祖父さんも、そして職員も本当によく頑張ったと思います。
そして、これまで当たり前にできていたことが、当たり前にできないつらさと、当たり前が当たり前ではない尊さを思い知らされた一年だったなとも思います。
聖書の中に、「苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生む(新約/ローマの信徒への手紙5:3-4)」という一節があります。コロナ禍という苦難に、みんなで忍耐し、今は新しい生活様式を獲得するための練達の時を過ごしていますが、新しい生活様式は私たちに行動の変容ばかりでなく、思考の変容や価値観の変容すらも、もたらしたのではないかと思います。これらに練達する時、そこから新しい希望が生まれると聖書は語っているのです。
考えてみればパンデミックまでは、キレてあおり運転をしたりハラスメントを我慢できない大人や、子ども同士のいじめなどが報道を賑わせていましたが、今はみんなが平等に我慢(忍耐)を強いられる時を過ごしています。これを練達できるかできないかで、その先が希望にも絶望にもなりうるということなのでしょう。勿論、みなさんは前者です。光の子学園で共に育んだ希望を胸に、家族みんなで新しい光のステージへと歩み出していってください。
光の子学園そして光の子会はいつでも、いつまでも皆さんのことを応援しています。たまには顔を見せに来てくださいネ。
ご卒園、おめでとうございます。
「2020年度卒園文集-はばたけ光の子-より抜粋」