ハロウィンは、もともとはイギリス・ケルト地方で収穫の時期を終えた10月31日を1年の終わりとして、新年を迎える前の厄払いのような感じで続けられていたお祭りです。悪霊を寄せ付けないよう、怖い恰好をして町内を練り歩いていたんだそうです。スピルバーグの映画「E.T.」の大ヒットによって、日本でもハロウィンのお祭りが広く知られるようになり、いつしか日本の季節行事の一つにも成っているようですね。
サンタ・クロース=Santa Clausって、想像上の架空の人物だって思っている人が結構いるようですが、3~4世紀にかけて実在した人だって知っていますか?
現在のトルコに位置するルキアのミラという地方教会の主教、つまり司祭だったんです。まぁ、平たく言えば神父さん。名前は「ニコラウス=Nicolaus(AD270年3.15~343年頃12.6)」と云います。当時からヨーロッパではよく知られていたみたいなんですけど、多くの部分で伝説化していてホントのところはよく分かってないことの方が多いんです。ヨーロッパで彼は船員の守護聖人とされていて、ついでに言えばロシアの守護聖人ともされています。カトリック教会によって聖人とされた人を呼ぶときには、冠に聖人の証として「セント(聖)」を付けて呼ぶんですが、呼ぶうちに「セント・ニコラウス」が訛(なま)って「サンタ・クロース」になったようです。
じゃあ、どうしてそのニコラウス主教が贈り物を届けるサンタさんに結びついたのかってことになるんですが、ニコラウス主教が年の瀬に貧しい家々を巡って窓から金貨を投げ入れていたと伝えられます。そして、投げた金貨がストーブのそばに干してあった靴下に入ったという噂もあって、これがクリスマスツリーに飾る靴下のオーナメントの由来にもなっているようです。
こうしたエピソードがオランダに伝わり、毎年命日の12月6日にセント・ニコラウス(オランダ語では、シンター・クラース)主教が大きな袋にジンジャークッキーなどのお菓子を一杯に詰めて、1年間良い子でいた子の家々を訪ね歩く「シンター・クラース祭り」が行われるようになりました。でも、悪い子には悪魔のクランプスが「袋に詰めてスペインに連れて行くぞ!」と脅して改心を迫るんだそうで、クランプスはどことなく秋田の“なまはげ”にも似ている気がします。
どうやって良い子と悪い子を見分けているのか。多分こっそり親から情報が流れているんでしょうけど、結構シビアですよねぇ。クリスマスくらいみんな良い子っていうことにしてやっても…とも思うんですが、観点を変えれば逆にそれだけ町内で互いの家の子どものことを知り合ってるとも言えるんですね。もしかすると、それって本当はとても素敵なことのような気もします。でも、やっぱりクリスマスにクランプスは登場して欲しくないなぁ…
それはさておき、そうしたオランダの習慣が、アメリカのニューアムステルダムに移住したオランダ人クリスチャンらによって伝えられ、今では世界中の人々のクリスマスの家族イベントになりました。サンタ・クロースは、オランダ語のシンター・クラースを英語読みした言い方だったんです。
ところで、オランダのシンター・クラースは先述したように「主教=司祭」の格好をしてるんですが、私たちが知っているサンタクロースって赤い帽子に赤い服着てますよね。あれは実は、コカ・コーラのイメージカラーだったんです。
1931年にコカ・コーラが、売り上げの落ちる冬の販促宣伝用にニューヨークのビルの屋上に大看板を取り付けたんですが、そこに、お馴染みの衣装に白いヒゲ、丸い鼻にテカテカほっぺのおじいさんが描かれたのが始まりです。描いたのはハッドン・サンドブロムという画家。コカ・コーラを片手に持つ笑顔のサンタクロースが、世界恐慌後のアメリカ国民の心に一滴の清涼剤となったことは云うまでもありません。このイメージがアメリカから世界中に広まり、いつしかサンタクロースといえば、あの扮装ということになっていったんです。でもこの話、サンタクロースを信じている子どもたちには内緒にしておいてくださいね!
ちなみに、うちの娘は中学校1年生の冬になってもまだ信じていましたが、クリスマスを前に真実を明かしました。「えーっショック!信じてたのにー。友達のみんなに言って回ってたのにー!」とぼやいていましたが、その1年前から「サンタさんからプレゼントをもらえるのは小学生(子ども)まで。中学生になったら大人の仲間入りをするから、代わりにお父ちゃんお母ちゃんがプレゼントするからね」と布石を打っておいたので、ショックとは言いつつ、どこかしら嬉しそうでもありました。
そして、過去のクリスマスを振り返りながら、「●○も、□▼も、本当はお父ちゃんとお母ちゃんだったの?」と訊(き)いては、ひとしきり過去のサンタさんからのプレゼントを確認していました。その上で、当時小学校4年生の弟には知られないよう「お父ちゃんとお母ちゃんと3人だけの秘密だよ。」と言うと、大人の仲間入りを実感して満面の笑みを浮かべていたことを想い起こします。その娘も、もう三十二才。遠い過去の、懐かしい想い出です。
クリスマスは“愛”をシェアする季節。それは、神様が御子イエス様を地上の私たちに送って(贈って)くださったことに由来しています。
あなたは今年、大切な人に何をプレゼントしますか?今年のクリスマスが、あなたにとって素敵なクリスマスとなることを、お祈りしています。
※キリスト教会暦では1月6日をエピファニー(顕現節 or 公現節=東方の3人の博士が御子イエスに拝謁・礼拝したことを記念する聖日)と呼んで、この日までクリスマスツリーを飾ります。
※12月1日に「ひかりのこニュース第58号」を全国の支援者皆様に向けて発送いたしました。
皆様からのお祈り、ご支援に法人役職員一同、心より感謝申し上げます。
支援者の皆様、そして当ブログ読者皆様の上に、神様からクリスマスの祝福が豊かに注がれますよう、お祈り申し上げます。
コロナ禍第8波の冬、どうぞご自愛ください。