ハロウィンは、もともとはイギリス・ケルト地方で収穫の時期を終えた10月31日を1年の終わりとして、新年を迎える前の厄払いのような感じで続けられていたお祭りです。悪霊を寄せ付けないよう、怖い恰好をして町内を練り歩いていたんだそうです。スピルバーグの映画「E.T.」の大ヒットによって、日本でもハロウィンのお祭りが広く知られるようになり、いつしか日本の季節行事の一つにも成っているようですね。
(北九州市からの依頼を受けて執筆した、「ともにそだつ第15集」への寄稿文を掲載します。読者対象は市内保育所に勤める保育士の先生たちです。)
光の子学園は今から丁度半世紀前の1973(昭和48)年に、門司幼稚園の養護母子学級を母体として幼稚園の隣地に産声を上げました。始まりは、1966(昭和41)年に障がい幼児を抱える複数のお母さん方が「幼稚園園児降園後に園庭を開放して欲しい」と願い出られたことであったと聞き及びます。当時すでに制度化されていた障がい児者の通園施設が、全国的に障がい幼児療育の場として本格化し転換されたのが1974(昭和49)年ですから、お母さん方が門司幼稚園に要望されたのはそれより随分前のことになります。そうした時代的背景の下で北九州市門司区の障がい幼児療育の支援を担ったのが、光の子学園でした。
平成24年の法改正に伴い、施設種別名称が知的障害幼児通園施設から児童発達支援センターへと変更され、来年予定されている令和6年度の法改正では、更なる地域の障がい幼児療育(発達支援)の中核施設としての機能を果たすことが期待されています。
北九州市内には、児童発達支援センターが7園あります。主に3才未満児を北九州市立総合療育センター・にこにこ通園と西部分所・きらきら通園の2園が担い、3才以上児を光の子学園をはじめとする、あゆみひまわり学園、引野ひまわり学園、到津ひまわり学園、若松ひまわり学園の5園が担っています。さながら特別支援学校の幼児版といったところですが、それぞれに特色を有しています。
光の子学園は毎日(月~金)通園バスを、門司・小倉北コースと新門司・小倉南コースに2台走らせていて、一日のスケジュールは下表の通りです。
定員は30名で、最大36名まで受け入れ可能で、クラスは3クラスあり、混合縦割りのスタイルを採用しています。それぞれに10~12名の園児を3名の担任で受け持っていますが、担任以外に児童発達支援管理責任者(主任)、保育所等訪問支援員、相談支援専門員がそれぞれサポートします。
○クラス活動では、毎日の「お集まり」で園児一人ひとりが交替で司会当番を務め、クラスメイトのお名前呼びをしたり、保育歌を決めたり、次の活動へ向かう際の号令を掛けたり、その日の主役を務めます。他にもお絵きや工作などの製作も行っています。
○グループ活動は、発達課題別にグループを編成して行います。
○個別学習支援は、引き抜きで行っており、構造化した学習室で担当職員が一対一で主に認知学習課題、言語学習課題に取り組んでいますが、時には研修を修了した者が新版K式発達検査などを実施して発達評価を行います。
○全体活動は、外遊びや室内運動(感覚統合)遊び、お遊戯や音楽療法などを行います。夏期の水遊び(プール遊び)は、コロナ禍に入って以後、感染リスクを下げるためにグループに分かれて行うようにしました。
○給食は、開園当初からランチルームで摂るようにしていて、クラスごとに島を作ったテーブルで食べていますが、コロナ禍に入って以後、職員が園児と一緒に食べることを止(や)め、食事支援に徹するように変えました。自閉症傾向を有する所謂(いわゆる)発達障がい児に偏食特性を有する子が多くみられますが、担任の根気強い支援によって殆どの園児に改善がみられ、それぞれに食経験の幅を拡げています。「こんなにいろいろなものが食べられるようになるなんて」と保護者から喜ばれていますが、食は生きることに直結する本能的な活動で、それを喜び楽しめるようになることを大切にしています。
○日中一時支援事業は、家庭支援の一環で、14;30から18:00の間、専門の児童指導員が担当し、お母さんの就労・社会参加、兄弟姉妹児所属先行事等への保護者参加を支えています。
この他にも、全ての園児に全担任が年間を通じ遠城寺式乳幼児分析的発達検査法とポーテージプログラムによって発達評価および支援を行いながら、受容的交流療法をベースに感情(心)の発達、対人スキル、社会性スキルの獲得を支えていきます。
◎保育所等訪問支援事業
市からの指定を受け、保育所や幼稚園、認定こども園に子どもを通わせている保護者の要請に応じる形で、所属先の保育所・幼稚園・認定こども園等を保育所等訪問支援員(心理職)と児童発達支援管理責任者が月に数回訪問し、対象となるお子さんの様子を観させていただきながら、児童発達支援センターの経験や知見を基に、保護者や先生方に発達支援の方法や工夫についてお話をさせていただいています。元々は児童発達支援センターから保育所・幼稚園への移行支援として始まった制度ですが、現在は、保育所・幼稚園・認定こども園に在籍の園児で、我が子の発達が気になる保護者からの相談によって連携させていただくケースが殆どです。
詳しくは光の子学園を検索していただき、公式ホームページ(https://www.hikarinoko-kai.or.jp/gakuen/)をご参照ください。