ハロウィンは、もともとはイギリス・ケルト地方で収穫の時期を終えた10月31日を1年の終わりとして、新年を迎える前の厄払いのような感じで続けられていたお祭りです。悪霊を寄せ付けないよう、怖い恰好をして町内を練り歩いていたんだそうです。スピルバーグの映画「E.T.」の大ヒットによって、日本でもハロウィンのお祭りが広く知られるようになり、いつしか日本の季節行事の一つにも成っているようですね。
最近地域で暮らす猫の中に、片耳が桜の花びらのようにカットされてる桜カット猫を見かけるようになりました。通常、右耳をカットされている猫がオス、左耳をカットされている猫がメスで、それぞれ不妊・去勢手術済みであることを示します。
2020年以降、コロナ禍で人々が家に籠(こ)もることが増え、その飼い易さから飼い猫が飼い犬の頭数を上廻ったと報じられました。一方で、飼い始めたものの次々に子を産んでコントロールが利かなくなり、多頭飼育崩壊により動物保護団体に保護されたというニュースを耳にすることも増えました。多頭飼育崩壊ケースの事情は様々ですが、コロナ禍が終息へと向かう中で徐々にペットを手放す人が増え、野良猫の頭数が増加した地域もあります。こうした猫たちは、これまでにも地域の人々の善意で地域猫として命が繋がれてきた訳ですが、地域猫に餌を与えることには批判的な人もいます。しかし、生まれ来た命に罪はありません。自分都合で飼ったり捨てたりする人間の身勝手にこそ罪があるからです。
かつては、野良猫・野良犬を保健所が捕獲して殺処分することが当たり前の時代がありました。しかし、我が国においても動物愛護管理法(昭和48年~)を改正しながら、野良猫・野良犬の殺処分ゼロを条例に謳う自治体も出始めていて、少しずつではありながらヨーロッパの水準に近付きつつあることを思います。
私の暮らす地域に、公営の公園があります。数年前から野良猫が増え始め、公園全体で200~250頭ほどが生息していると推計されています。公園管理事務所では、公園内に猫を遺棄しないことや餌を与えないことなどを看板を立てて訴え続けて来ましたが解決には至らず、市内別区でTNR活動に取り組むNPO法人に相談を持ちかけました。
一方、それより前から公園内の猫の状況を見るに見かねてボランティアでお世話(毎日の餌やり、公園の景観を損なわないよう工夫した雨風をしのぐ手作り猫ハウスの提供=写真)をしていた人達がいました。
公園から相談を受けたNPO法人がその人達に働き掛けて、ボランティア団体「いのちをつなぐ会」が立ち上げられました。登録者数はまだ少ないですが、実際にどれだけの人がお世話をしているのか実態を掴み切れてはおらず、お世話をする人によって猫の呼び名が違ったり情報も錯綜していました。それでも、公園の公認を得てボランティア活動ができるようになったことは大きな前進でした。何故なら、それまで「餌を与えないでください」という看板を尻目に給餌をしていたボランティアも、堂々と活動ができるようになったからです。(看板は撤去される予定)
ボランティアメンバーにはボランティア証が交付され、証には会員番号の他に会の目的、活動、給餌のルールなどが記(しる)されました。
会員番号は世帯ごとに割り振られ、会員証を持参すれば会員家族の誰もが活動に参加できる仕組みになっています。昨年12月には全国規模の大寒波が襲来し、「いのちをつなぐ会」のメンバーも公園の猫たちが無事に越冬できるか随分心配して、手作りの猫ハウスを増設するなどの対策を講じました。
会となってからの活動は始まったばかりで、公園内の猫全てに不妊・去勢手術を完了している訳ではありませんし、今後生まれくる命を守ることも会の重要な任務の一つです。また、会員以外にも活動に関心を寄せてくださる方々があり、里親として公園猫を引き取り家族に迎えてくださった方もあります。それなら大々的に譲渡会を開催しては…と思われるかもしれませんが、こうした問題で難しいのは、注目を集めれば集める程『あそこに託せば、なんとかしてもらえる…』と、“こっそり遺棄”をする人が増えてしまうことです。公園の猫を増やさないための活動をしているのに、頭数が増えてしまうのでは本末転倒。ボランティア団体「いのちをつなぐ会」が目指すのは“命を守る活動”であって、命を増やすことでも注目を集めることでもありません。
野に暮らすネコの平均寿命は、交通事故死を含めると3年半程度と言われます。対して家猫の寿命は、15~18年。18年を超えれば、長寿猫と言われます。以前のブログ「あなたは犬派?猫派?」2022.05.06にも書いたように、人間の知能に照らせば乳児期後期を生きる猫には、自由であること以上に安全・安心であることの方が重要です。親代わりの飼い主の愛情に包まれて生きること、それが何より猫には幸せなことなのです。
<補足追記>
上記本文2枚目の写真は、サビ猫ちゃん(画面左下)が猫ハウスに立て掛けた枯れ枝で爪研ぎをしているところです。猫の爪研ぎは研ぎたいから研ぐというより、習性として“何かを始める前の準備運動”として行うものだそうで、そう言われてみれば我が家の黒猫も、私が仕事を終え帰り着いて洗面台に向かうタイミングに、決まって壁に貼り付けた板で私の顔を見上げながら一生懸命に爪研ぎを始めます。『やったー!おやつだー!』ってなもんです。そしてその目は『ねっ!おやつくれるよねっ!』と訴えてきます。他にも、そろそろご飯のタイミングだったり、遊び始めるタイミングに爪研ぎ準備運動をしていて、どうやら始動のスイッチにもなっているようで、爪研ぎをしながら意識を集中させ気分を高揚させてもいるようです(同時に直前のことを忘れる)。何故、気分を高揚させていると分かるのか、それは、猫には機嫌の良い時や気分が高揚した時に尻尾をピーンと立てる習性があるからです。つまり、爪研ぎは猫にとっての「やる気スイッチ」になっているんですね。
写真に写っているサビ猫ちゃんも、わたしたちの姿を見るや、おもむろに猫ハウスに向き直って爪研ぎを始めました。見ていただくと解るように、尻尾をピーンと立てています。『今から、ごはんもらって食べるぞー!』のスイッチをONにしたんですね。習性とは言え、期待に胸を膨らませているようで可愛らしく感じます。
ただし、我が家の黒猫を見ていると、爪研ぎが100%「やる気スイッチ」かというとそうでもなくて、たまたま爪研ぎ板のそばを通ったときに癖で研いでしまうこともあって、そんな時は『あれ?何するんだっけぇ…』と一瞬止まり、それから寝たり、無目的に走ったりなんてこともあります。また、同じく我が家の全盲のハチワレ猫は、思い通りにならなくてイジイジした時のストレス解消に爪研ぎしているように見えることもあり、猫の個性によっていろいろのようです。